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真和のよもやま話~part8~

皆さんこんにちは!
真和の更新担当の中西です!

 

真和のよもやま話~part8~

鉄則

ということで、住宅基礎工事における「6つの鉄則」について詳しく解説し、安全で長持ちする住宅を実現するための重要ポイントを紹介します♪

住宅基礎工事は、建物の荷重を支え、長期間にわたり安定した構造を保つために不可欠な工事です。基礎に問題があると、不同沈下(どふじんか)やひび割れ、地震時の倒壊リスクが高まり、建物全体の耐久性に影響を及ぼします。そのため、基礎工事では「正しい設計」「適切な施工」「徹底した品質管理」が求められます。







1. 鉄則① 地盤調査と適切な基礎設計|地盤に応じた基礎を選択する


① 地盤調査の実施は必須


スウェーデン式サウンディング試験(SWS)を実施




  • 戸建住宅では、SWS試験を行い、地盤の強度を測定する。

  • N値(地盤の強度)を確認し、適切な基礎工法を決定。


地盤の特性を考慮する




  • 軟弱地盤(粘土質・埋立地)では、地盤改良が必要。

  • 地盤が安定している場合は、ベタ基礎または布基礎を採用。


② 基礎の種類を適切に選択


布基礎(連続フーチング基礎)




  • コストが低く、比較的安定した地盤に適用。

  • 不同沈下のリスクがあるため、地盤の均一性が重要。


ベタ基礎(全面基礎)




  • 耐震性・耐湿性が高く、現在の戸建住宅で主流。

  • 軟弱地盤では地盤補強とセットで施工。


杭基礎(鋼管杭・コンクリート杭)




  • 軟弱地盤や液状化リスクのあるエリアに適用。

  • 地盤の深い部分に杭を打ち込み、安定性を確保。


地盤調査を怠ると、建物の沈下やひび割れの原因となるため、必ず適切な調査を実施し、基礎の種類を決定することが鉄則です。







2. 鉄則② 適切な配筋・コンクリート施工|耐震性を確保する


① 鉄筋の適切な配置を守る


鉄筋の「かぶり厚」を確保(JASS 5基準)




  • コンクリート表面から鉄筋までの距離(かぶり厚)は40mm以上を確保。

  • 適切なかぶり厚がないと、鉄筋が腐食し、耐久性が低下。


適正な鉄筋間隔を守る




  • 基礎スラブ(ベタ基礎)の鉄筋ピッチは150〜200mmが推奨。

  • 配筋不足やずれが生じると、耐震性が低下するため注意。


② コンクリート施工の注意点


適切な強度のコンクリートを使用する




  • JIS規格に基づき、設計基準強度(Fc24N/mm²以上)を確保。

  • 冬場の施工では、凍結防止のために温度管理を徹底。


生コン打設時の管理を徹底




  • コンクリートは一度に流し込み、継ぎ目(コールドジョイント)を作らない。

  • 振動棒(バイブレーター)を使用し、密実なコンクリートを形成。






3. 鉄則③ 適切な湿気・防水対策|基礎の劣化を防ぐ


基礎パッキンや通気口を確保し、湿気を防ぐ




  • 床下の換気を十分に行い、湿気によるカビ・腐朽を防ぐ。

  • 基礎パッキン工法を採用し、床下換気を効率化。


防湿シート(ポリエチレンフィルム)を施工




  • 防湿シートを敷設し、地盤からの湿気を遮断。

  • 厚さ0.1mm以上のシートを使用し、基礎全体を覆う。


基礎の立ち上がり部分に防水処理を施す




  • 防水モルタルやシーリング材を使用し、雨水の侵入を防止。

  • 基礎の表面に撥水剤を塗布し、劣化を防ぐ。






4. 鉄則④ 施工精度の確保と品質管理|基礎の強度を最大限に引き出す


水平・高さの精度を厳守




  • 誤差±3mm以内の水平精度を確保。

  • 水準器やレーザーレベルを活用し、高さを均一に施工。


アンカーボルトの適切な設置




  • 基礎と建物を固定するアンカーボルトを正確な位置に配置。

  • 基礎から最低60mm以上突き出すように施工。


養生期間を確保し、コンクリートの強度を最大化




  • 最低7日間以上の養生期間を確保し、完全硬化を待つ。

  • 夏場は散水養生、冬場は保温養生を実施。






5. 鉄則⑤ 安全管理の徹底|現場の安全と施工ミスを防ぐ


作業員の安全対策を徹底




  • 足場や仮囲いを設置し、作業中の転落を防ぐ。

  • ヘルメット・安全帯を着用し、現場の安全管理を強化。


資材の管理を徹底




  • 鉄筋・型枠・コンクリートを適切に保管し、品質劣化を防ぐ。

  • 型枠材は再利用せず、新品の状態で使用。


施工記録を残し、トレーサビリティを確保




  • 写真撮影・記録を徹底し、基礎の施工履歴を管理。

  • 第三者機関による品質検査を実施し、施工ミスを防ぐ。






6. まとめ|住宅基礎工事の鉄則を守り、長期耐久性を確保する


地盤調査を徹底し、適切な基礎工法を選定する。
鉄筋の配置・コンクリート施工を適切に行い、耐震性を確保。
湿気・防水対策を施し、基礎の劣化を防ぐ。
施工精度を厳守し、高品質な基礎を形成する。
安全管理を徹底し、施工ミスを防ぐ。


これらの鉄則を守ることで、地震に強く、長寿命な住宅の基礎を確保し、安全で快適な住まいを実現することができます。


 

 

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真和のよもやま話~part7~

皆さんこんにちは!
真和の更新担当の中西です!

 

真和のよもやま話~part7~

歴史

ということで、本記事では、住宅基礎工事の歴史を振り返りながら、その背景や発展の要因について深く掘り下げます。

住宅基礎工事は、建物の耐久性・耐震性・安全性を左右する重要な工事です。基礎がしっかりしていなければ、どれほど優れた建築技術を持っていても、長く安全に住める住宅は実現できません。


基礎工事の技術は、地盤の強化や建築材料の進化とともに発展してきました。







1. 古代の基礎工事|石や木材による簡易な基礎の時代


① 紀元前3000年頃|メソポタミア・エジプト文明の基礎技術


日干しレンガと石の基礎




  • メソポタミア文明では、乾燥地帯に適した日干しレンガ(アドベ)が主流。

  • エジプトでは、石を積み上げて基礎を作る技術が発達し、ピラミッド建築に応用。


地盤改良の概念の誕生




  • ナイル川流域では洪水対策として、砂や石を敷き詰めた地盤改良が行われた。






② 紀元前1000年頃|ローマ帝国の建築技術と基礎工事


ローマン・コンクリートの発明




  • ローマ人は火山灰(ポゾラン)を混ぜたコンクリートを開発し、耐久性の高い基礎を実現。

  • コロッセオやローマ水道の建設には、強固な基礎技術が採用されていた。


杭基礎の原型




  • 軟弱地盤の上に建物を建てるために、木杭を打ち込んで地盤を強化する技術が誕生。


この時代の基礎工事は、石造建築やコンクリートの技術とともに発展していきました。







2. 中世・近世の住宅基礎|木造建築と基礎技術の進化


① 日本の伝統的な基礎技術(平安時代〜江戸時代)


「礎石基礎」の誕生




  • 日本の伝統的な木造建築では、柱の下に大きな石(礎石)を配置し、建物を支える基礎工法が採用。

  • 法隆寺(607年創建)や寺社仏閣の建築にもこの技術が用いられた。


地盤補強の技術




  • 軟弱地盤には、栗石(砕石)を敷き詰めて支持力を高める工法が使用された。

  • 砂利や石を敷いて排水性を確保し、地盤沈下や湿気の影響を軽減。


杭基礎の発展




  • 江戸時代には、都市部の建築で「木杭基礎」が普及し、湿地帯でも安定した建築が可能に。

  • 例:江戸城や寺社仏閣の基礎には、地盤改良のために大量の木杭が使用された。






3. 近代の住宅基礎|コンクリート基礎の登場(19世紀〜20世紀)


① 産業革命と鉄筋コンクリート基礎の確立(19世紀)


鉄筋コンクリート(RC)の発明(19世紀後半)




  • フランス人のジョゼフ・モニエが鉄筋コンクリートを発明し、基礎工事にも応用されるようになる。

  • 地震や荷重に強い鉄筋コンクリート基礎が登場し、高層建築が可能に。


ヨーロッパ・アメリカでベタ基礎が発展




  • 1900年代初頭には、基礎の全体をコンクリートで覆う「ベタ基礎」が開発される。

  • 湿気や地盤沈下の影響を抑え、より強固な住宅建築が可能に。






② 日本の住宅基礎の近代化(明治〜昭和時代)


西洋式の基礎技術の導入(明治時代)




  • 明治期にレンガ造・洋風建築が普及し、コンクリート基礎が採用されるようになる。

  • 関東大震災(1923年)を契機に、耐震性の高い基礎技術が注目される。


戦後の復興と基礎技術の進化(昭和時代)




  • 1950年代〜 高度経済成長期に「布基礎」が住宅基礎の主流に

  • 1970年代には耐震基準が厳格化し、「ベタ基礎」の採用が増加。






4. 現代の住宅基礎工事|耐震・省エネ・長寿命化への進化


現在の主流基礎工法




  • 布基礎:経済的だが、不同沈下のリスクがあるため、地盤調査が必須。

  • ベタ基礎:耐震性・耐湿性に優れ、現在の戸建住宅で広く採用。

  • 杭基礎:高層建築や地盤の弱い土地に採用。


最新の基礎技術の進化




  • 免震・制震構造を取り入れた基礎工事が普及。

  • 断熱性の向上を目的とした「外断熱基礎」技術が登場。

  • AI・ドローンを活用した地盤調査が精密化。


環境負荷の低減




  • CO2排出を抑える「エココンクリート」の開発。

  • リサイクル可能な基礎材(再生砕石・フライアッシュ)の活用。






5. まとめ|住宅基礎工事の進化と未来


古代は石や木材を活用したシンプルな基礎が主流だった。
中世では、日本では礎石基礎、欧米では石造基礎が発展。
産業革命後、鉄筋コンクリート基礎が登場し、耐震性が向上。
現代ではベタ基礎が主流となり、省エネ・耐震性能が向上している。
未来の基礎工事は、AI・環境配慮・免震技術が発展していく。


住宅基礎工事は、これからも技術革新を重ねながら、より安全で快適な住環境を支える重要な工事として進化し続けるでしょう。


 

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