日別アーカイブ: 2025年4月14日

真和のよもやま話~part11~

皆さんこんにちは!
真和の更新担当の中西です!

 

真和のよもやま話~part11~

設計

ということで、今回は、基礎工事における設計の考え方・手順・注意点・設計と施工の連携まで、実務に役立つ深い情報をご紹介♪

 

基礎工事における設計の重要性と現場を支える思考とは?


こんにちは。私たちは、戸建住宅から集合住宅、商業施設、公共建築物まで、幅広い建物の基礎工事・構造工事を専門に行っている施工業者です。


建物はどれほど立派に見えても、「基礎が悪ければすべてが台無しになる」これは建築の現場で繰り返されてきた真理です。


その基礎の「良し悪し」を最初に決めるのが、まさに「基礎設計」。







そもそも“基礎設計”とは何をするのか?





基礎設計とは、建物が自重や地震、風などの外力に耐えられるように、その「土台」を地盤と構造に応じて最適な形に計画することを言います。


基礎は、単に建物を支えるだけではなく、





  • 地盤の性質(支持力、沈下しやすさ)に応じた選定




  • 建物の規模・構造形式に合わせた強度と安定性の確保




  • 経済性・施工性・環境条件への適合




など、複数の要素を総合的に調整しながら設計されます。


📌「基礎をどう設計するか?」は、構造安全性・工期・コスト・将来のメンテナンス性にまで影響する最重要ポイントです。







基礎設計の主なプロセス






✅ ① 地盤調査の実施・地耐力の把握




  • スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)




  • ボーリング調査(大型建物の場合)




  • 表層地盤の土質・支持層の深さ・地下水位・液状化の可能性などを確認




📊 地盤が軟弱なら、布基礎→ベタ基礎→杭基礎へと仕様が変わる
設計の起点は、地面の「力」の理解から始まります。







✅ ② 基礎形式の選定





























基礎形式 主な用途 特徴
布基礎 木造住宅など軽量構造 コスト安・施工性良だが沈下に弱い
ベタ基礎 中低層住宅や小規模建築 底面全面で荷重を分散・不同沈下に強い
杭基礎 高層ビル・軟弱地盤 地中深くの支持層まで杭を打設して支持



📌 用途・地盤条件・コストのバランスを見て、最適な基礎形式を選定します。







✅ ③ 荷重計算と構造設計




  • 建物の「鉛直荷重(自重+積載荷重)」と「水平荷重(地震力・風圧力)」を考慮




  • 地盤の許容支持力度を超えないように基礎幅・厚さ・配筋量を計算




  • 複数棟を連結する場合は基礎梁の剛性やスラブ厚の均一性も考慮




🧮 建築基準法施行令(第38条~)に基づいた構造計算書の作成が必要となる場合もあります。







✅ ④ 基礎伏図・基礎断面図の作成




  • 柱や壁の下に対応するフーチング位置・寸法の設計




  • 配筋構造(主筋・補強筋・スラブ筋など)の配置図




  • アンカーボルトの位置、型枠高さ、スリーブ位置の表示




📐 鉄筋のかぶり厚・結束位置・補強筋の取り回しなど、施工精度に直結する情報を明確に表現することが求められます。







✅ ⑤ 他工種との納まり検討(建築・設備・土木との調整)




  • 排水管・電線管・給水管の通るスリーブ位置や貫通処理の確認




  • 地盤改良工事との工程調整




  • 基礎と外構(擁壁、土間コン、舗装など)の連携設計




💡 設計段階で納まりが整理されていないと、現場で打ち直しや配管干渉が発生する可能性があります。







基礎設計でよくあるトラブルとその防止策






⚠️ 不均一な地盤による不同沈下




  • 建物の片側だけが沈んで、ひび割れや傾きが発生




✅ 解決策:地盤調査の精度向上+地盤改良やベタ基礎・杭基礎の導入







⚠️ 配筋ミスによる強度不足




  • 基礎梁の主筋が所定の位置に配置されていない




  • 鉄筋の重ね継手が不十分




✅ 解決策:詳細な配筋図の作成+現場での事前打ち合わせ(配筋検査)







⚠️ スリーブ・設備配管との干渉




  • コンクリート打設後に「ここに配管が通らない!」と発覚




✅ 解決策:設備設計との事前連携+スリーブ図・配管ルート図の統合







基礎設計の進化とこれからの視点






◆ 地盤情報のデジタル化・AI活用




  • 地盤調査データをもとに、AIが最適な基礎形式を自動提案




  • 地域ごとの土質データベースによる設計効率化




📊 感覚や経験値から脱却し、データに基づいた設計が可能に







◆ BIM連携による干渉チェックの精度向上




  • 設備・構造・建築が1つの3Dモデルで連携




  • スリーブ・型枠・配筋の干渉を事前に“見える化”




🧱 現場での変更対応を減らし、ムダなコストをカット







◆ カーボンニュートラルと基礎設計




  • コンクリート使用量削減のためのスラブ厚最適化




  • 鉄筋の軽量化設計と高強度材の活用




🌍 環境配慮が“設計の評価軸”になる時代が到来しています。







良い建物は、「良い基礎設計」から生まれる


建築の世界には、「基礎がすべて」という言葉があります。
それは、施工の品質や見た目だけでなく、設計という“考える力”の段階から勝負が始まっているという意味でもあります。





  • 地盤を読む




  • 力を逃がす




  • 他とつなぐ




  • 現場で作りやすくする




この4つを設計に落とし込むことで、安全・高精度・合理的な基礎工事が実現できます。


 

 

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